a day in the life

TAKAYA FUJITA PAINTINGS

ぬふ

親父に癌が見つかった。町医者の検査から一週間、正式にそれだとわかった。

当初、僕は動揺とかショックとか色んなもので数日間支配された。一番酷かったのは幻聴だ。幻聴なんて、オカルトか仮病の一種だと思っていた。それは無線機やラジオのノイズ音に似ている。初めは二秒に一度位聞こえる程だったけれど、いまは一日に一度あるかないか。それほどストレスがかかった出来事だったんだなと客観的に思った。

なんせ、癌というやつの印象が悪すぎるのが原因だ。名前が良くない。伊集院さんのラジオでも同じことを言っていた。伊集院さんはガンという名前ではなく「ヌフ」だったらその印象は違うと言っていたことに笑った。「ぬふ」って、なんか弱そうでふざけてる感あるよね。なんか勝手に落ち込んでた一週間が馬鹿らしく思えてきて、今は「こんにゃろ、闘うぞ、ちくしょ!」としか思ってない。 なので今は全く心配なんぞしてない。盲腸よりちょっと大変かな、位しか思ってない笑。「ネガティブからは何も生まれない。」テニスプレーヤー大阪なおみのコーチが言った言葉だ。まさに。敵が現れた以上闘うしかない。それだけだ。